趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

どこまでが本当なの?(って全部嘘か!)

「怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関」(39/144) あまりにも嘘が多すぎて 小さな嘘が(逆に巨大な嘘の場合もアリ) 本当に思えてくる そんなミステリ&SF もう嘘から嘘の積み重ね 重要なファクターである「シュレーディンガーの猫」は どうも法月の嘘ではない…

あまり感じたことのない感情になる

「九年前の祈り」(38/144) 小野正嗣、初読 芥川賞です うむ、登場人物、誰にも感情移入出来ないよな 同時に 誰にもネガティブな気持ちにもなれない なんだ、これ って感じの読書 この感情 限りなく無感情に近いけど 全く無では無い微妙なざわめき… 不思議 外…

こんな日本でも、もう、良いのかも…

「宰相A」(37/144) 実質的にUSAに占領された日本の話です 田中が書くので 普通のSFではありません とっても「めんどくさい」SFとなってます 小説のネタが切れた主人公の作家Tが 何かを求めて 母の墓参りに向かう電車が着いた先が この「新しい」日本だった …

このミスリード、心地よし

「雪冤」(36/144) 実は 非常~によくある結末なんだけど、これが この経過を経て まさか、こんな当たり前の「事実」だったなんて これだからミステリは面白い 同じ事象でも主体を変えれば物語は一変するし 本作品のように 言われれば、その通りの「事実」な…

楽しみ方、50回あるけど、ハードル高めかな

「惑いの森」(35/144) 50の物語 2ページのものもあります ほんの一瞬の風景 風景すらになっていないかも 風みたいな作品の 読み方、難しいですね やはり、中村作品を何作か読んでからじゃないと 楽しめないだろうな 中村の世界に浸ることが楽しい 50回も ち…

分かりやすい舞城

「淵の王」(34/144) 文庫には「傑作ホラー長編」と書いてありますが そんな、ホラーじゃないですよ どちらかといえばファンタジーじゃないかな ちょっとダークな 中島さおり は友達を助ける際に「魔物」に出会う 堀江果歩 は自分の描く漫画の中に「魔物」を…

こういう関係ならば、犬でもいいよ

「その犬の歩むところ」(33/144) 犬には 人間と対等な立場でいてほしい だから「飼う」とかいう言葉は嫌だ この作品の中の犬は 素敵だ 犬の名前はギヴ 物語は犬目線ではない 陳腐な犬の感情表現もほとんど無い そう 犬の気持ちが分かるなんて傲慢すぎる 登場…

軽そ~うで、重い。

「御子柴くんと遠距離バディ」(32/144) 重そう、深そう、複雑そうに見えて 実は表面だけで 中身はスカスカみたいな小説とか映画とか あるじゃないですか 本作品は真逆です 諸事情あって 閑職に就いている御子柴くん 彼が 軽々と解決していく事件は かなり深…

政治家になりたくなる

「虚人の星」(31/144) 新年一発目から 一見、重めとか思いつつも これを「重い」とか言ってる時点で思考放棄なんですよね いけない、いけない 総理大臣と中国のスパイの物語 テーマは 米国、中国と、日本はどう対峙すべきなのか 10年後、20年後、そして50年…

間に合ったよ

「御子柴くんの甘味と捜査」(30/144) さて、2017年ラスト 若竹ミステリ やっぱりストレートなミステリじゃありませんでした 長野県警から警視庁に出向した御子柴くん 長野と東京を股にかける事件の解決、処理に励む日々 5つに事件が登場します 殺人や盗難、…

文庫700頁で語られた事件と人生

「鍵の掛かった男」(29/144) いや、長かった、700頁 でも、この厚みが「殺された」主人公・梨田の人生を 物語っているのかな、と ホテルで「死体」で見つかった梨田 自殺とされたが 他殺ではないのか… 謎の男、梨田の過去を知ることが出来なければ 自殺か他…

いい先生だね

「教場2」(28/144) シリーズ第二弾 警察学校 教官、風間と生徒の6つの物語 創傷医師から警察官に転職した異色の生徒が 自分の不祥事の意味を知る 心眼校内の備品の盗難 全く意味が分からない 動機は? 警察官も人間なのです 罰則津木田は、プールでの救助訓…

現実と幻想は対立するものではなく

「悲嘆の門 上」(25/144) 「悲嘆の門 中」(26/144) 「悲嘆の門 下」(27/144) リアルな世界から いつの間にか、モンスター…? これ、宮部にしか書けない世界です 普通ならば これは「卑怯」とかいう話になるでしょう でも、本作品は違います この世の中は「物…

…絶叫したくなる時、ありますか?

「絶叫」(24/144) でもね 絶叫している暇があるならば そこから逃げ出す方法を 冷静に考えるべきなんですよね 絶叫したら、終わりなんです そう、ゲームオーバー 以下、ネタバレ 逃げ切ったのか これ、嬉しいかも 犯罪者に肩入れしてしまいます このタイトル…

因習とアート

「カラヴィンカ」(23/144) 昔ながらの村 藤家と斧家 天才アーティスト、実菓子は没落した斧家の娘 この娘、ヤバイ 主人公の藤家の多聞の 父の愛人の娘であり その父と結婚をし 父の死後、兄と結婚をしたのです で、兄も死んでいます てか藤屋もヤバイです こ…

色男過ぎるだろ、影山

「ブルース」(22/144) この物語をどう解釈するか 簡単に言えば 六本指に生まれた男、影山のサクセスストーリー どん底の町の「下の方」に生まれた 母は、当然の如く、身体を売って生きている 少年は、特殊な指を活用したのだろうか 卓越した性戯サービス提供…

日本最大のミステリのミステリ

「女王 上」(20/144) 「女王 下」(21/144) 邪馬台国はどこ? そのミステリにミステリを被せるという力技 それも定番、記憶喪失からのスタート 主人公、史郎 なぜか東京大空襲にあった記憶がある 年齢的にはありえないのに さらに、祖父の死の謎を探るうちに …

トリッキー過ぎるぜよ…ハードル高し

「からくりがたり」(19/144) 自殺した兄の「妄想」日記の謎を解くために 妹が動き出す という流れで事件が明らかになっていくのかな~ と思いきや なんでしょう、これ エロチック・ミステリアス・ホラー? 様々な事件の謎は 完璧には解けないまま物語は進ん…

痛い女、好きですよ

「ウォーク・イン・クローゼット」(18/144) 2作品収録 「いなか、の、すとーかー」 ストーカー候補者は近くにいる それがストーカーに育っていくのか それともカワイイ奴に成長していくのかは 自分の問題なのかもしれない だから、怖い で、表題作「ウォーク…

来年、必ず登るぞ!

「通天閣」(17/144) 人生を半ば捨てたオジサンの話と 意外と軽く男に捨てられた女の話が 交互に進む 二人とも、まあ、運が悪いというか 適当に頑張ってる姿が切ない その二人の周りに様々な登場人物が登場する 僕のお気に入りはママ 話していることばの8割が…

途中の物語の切り裂き方が凄い

「月光のスティグマ」(16/144) 阪神大震災を機に 物語をここまで一気に切り替える潔さ 読者が逆に どうやって収束させるのか心配になるほど さらにさらに 最後に中東のテロまで… いや、これ無理でしょ、と思うかもしれませんが 実は、全て、つながっているの…

桜庭の直球ヴァンパイア

「ほんとうの花を見せにきた」(15/144) はい ストレートな ヴァンパイアストーリーです 年を取りませんし 太陽はもちろんダメです 人間をヴァンパイア化することもOKです で、桜庭が繰り出すヴァンパイア物語のコアは 人間を育てるヴァンパイア ヴァンパイア…

ここまでどんでん返しが続くとはね

「ゴースト・スナイパー 上」(13/144) 「ゴースト・スナイパー 下」(14/144) ひたすらミスリード このシリーズですから いかにも「犯人」らしく書かれている人が 次々と犯人ではない(もしくは雑魚の犯罪者にすぎない)ことが明かされ また新しい「犯人」が…

名探偵は労働基準監督署の男

「カード・ウォッチャー」(12/144) 現実と交錯する殺人事件 まさか 名探偵役が労働基準監督署員とは・・・ 「サービス残業」から事件は始まる 主人公はサラリーマン 会社のサービス残業や労災を隠すために その流れで「殺人事件」の隠ぺいに一歩を踏み出す …

ミナミで飲まなきゃ

「地下の鳩」(11/144) 西の書く大阪を読むと 無茶苦茶、大阪に思いは飛んでいくのですが 実は あまり 大阪に行きたくなくなります 大阪が嫌いになるわけではありません 行っても この文字から出てくる温度を 感じることが出来なくて失望するのが怖いからです…

阿部作品、読まなくちゃだよね

「キャプテンサンダーボルト 上」(9/144) 「キャプテンサンダーボルト 下」(10/144) 世界を救っちゃったよ この二人 本当に申し訳ないのですが 阿部作品、一作品しか読んだことがないのです それに対して、伊坂作品は 多分、文庫化されたものは全て読んでい…

悪女年代記

「永遠に残るは 上 ―クリフトン年代記 第7部―」(7/144) 「永遠に残るは 下 ―クリフトン年代記 第7部―」(8/144) ついに終わってしまいました この結末、やっぱアーチャーでした あっけない、実にあっさりとした終焉 並みの作家じゃ許されない幕引きだと思いま…

圧倒的に面白いって、こういうこと

「罪責の神々 リンカーン弁護士 上」(5/144) 「罪責の神々 リンカーン弁護士 下」(6/144) 殺人の罪で逮捕された男 その被害者は ハラーにとって「大事」な人だった その男の無実を証明するために ハラーは動き出す その中で、昔の事件との関連が浮かび上がっ…

ラブドールを愛せるのか

「それを愛とは呼ばず」(4/144) 確かに衝撃の結末です このタイトルの行く先を想像しながら読み進めて まさか。。。 解説を引用しますが妻を失った上に会社を追われ、故郷を離れた五十四歳の亮介 十年所属した芸能事務所をクビになった二十九歳の紗希 ま、色…

最初からネタバレしちゃっていいですか?

「ペガサスの解は虚栄か?」(4/144) はい、ネタバレです、すみません Wシリーズ第7弾です いや、昨日、ブレードランナー2049を見たばかりなんで 興奮しての、ネタバレです 人間の「役割」って 最終的には生殖なんですね 人間というか「生き物」って話ですが…