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趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

真ミステリ

「去年の冬、きみと別れ」(103/144) 中村の作品なので いつも通り やり場のない気持ちの鬱屈した雰囲気を 淡々と読もうと思っていたのですが なんと 本作品ですが 読み終わってみたら 完全なミステリですよ びっくりですよ 中村ビギナーには ある意味オスス…

絶望したくないから、読むのだ

「世界の果て」(143/144) 著者、中村文則による解説から抜粋させていただきます (前略) 世の中に明るく朗らかな小説だけしかなくなったら、 それは絶望に似ているのではないかと個人的には思っている。 (後略) ※解説では「だか」は下線ではなく「``」…

終わらないんだ

「最後の命」(111/144) こう、終わるか 死なないんだ 殺さないんだ 死ねないんだ 殺せないんだ そうだ、終わらないんだ 物語の設計図を抜き出せば 実に良くできた サイコミステリということになるのだろう 幼少期から 過激な体験を共有しつつ大人になってい…

騙されたい、のか

「王国」(93/144) あの「掏摸」の あの「掏摸」のもう一つの物語なんですね こっちは妹の話です 巨悪の話なんだけど ここまで巨大だと 果たして悪なのかどうなのか不明になってくる それくらい、得体のしれない悪に いいように使われている女、ユリカ ターゲ…

一家惨殺。 唯一生き残った美しい少女。

「迷宮」(84/144) 文庫の帯にはこう書いてあります 一家惨殺。 唯一生き残った美しい少女。 迷宮事件の狂気に搦め取られる人間を描く衝撃の長篇 この三行が この物語の「あらすじ」を実に的確に表現しています たしかに、それだけの話なんです 文字の意味だ…

生と死と殺すことと

「何もかも憂鬱な夜に」(56/144) 人は死ぬんだね その死に向かって 生きていくのが人生なんだね 中村作品 もちろん重いです この重さを銀座線の車中で受け止めることで せめて 少しでも中村の世界に近づけるのでは…… と期待する僕は愚かでしょうか 主人公は…

殺人者の気持ち

「悪と仮面のルール」(5/144) 悪人の話しなんだけど なんで こんなに優しいんだろうか 人を殺した奴に どうして さりげない共感を抱いてしまうのだろうか 誰もが 悪に憧れる その悪を描く中村文則 素晴らしすぎる 主人公 大金持ち 実の父を「殺害」 動機は好…

悪意という名の誠意

「悪意の手記」(114/144) 中村、一気読みの中で これが、一番、共感というか理解できた ま、理解できる事と作品の良し悪しは 必ずしもリンクしないけど この主人公の悪意は 分かる 主人公は 奇跡的に死の水際から戻ってくるわけだけど 死んだ人が悪魔になる…

殺されかける気持ち

「土の中の子供」(110/144) 中村文則、連発です 芥川賞にふさわしい読み応え 充実した読書でした 子供時代に 土の中に生きたまま埋めらて 殺されそうになった経験のある青年が主人公 鋭い描写に 心を削られるんだけど なぜか、痛くない なんだろう…… 主人公…

近い

「遮光」(109/144) 苦しく狂おしい内容だが 最後に訪れる絶望的な解放感に心休まる 指を持ち歩く主人公 彼に味方するわけではない 同情もしない でも、距離の近さは感じる きっと、本作品を読んだ人は、皆、そう思うのではないだろうか 150頁、すぐ読めます …

撃ったことが無い人には、わからないだろうな

「銃」(102/144) 中村文則、一気読み月間(?) 本作がデビュー作品 銃を拾った大学生の物語 ハンドガンですね 拳銃ってやつ ライフルとは違うんですよ 重いんです 義理の弟が北米人でして 代々引く継いだモノも含め 10丁程の銃器をもっています それを撃た…

小説は「締め」が大事、というお手本の作品

「掏摸」(98/144) また、素敵な作家に出会ってしまいました…… ああ、時間が、足りない スリの男の話です 犯罪者の話です 華麗なるスリの描写にウットリします ミラクルな指の動きを 活字が淡々と刻んでいくエクスタシー 圧倒的な文字力です 登場する絶望的な…