趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

宮部みゆき

現実と幻想は対立するものではなく

「悲嘆の門 上」(25/144) 「悲嘆の門 中」(26/144) 「悲嘆の門 下」(27/144) リアルな世界から いつの間にか、モンスター…? これ、宮部にしか書けない世界です 普通ならば これは「卑怯」とかいう話になるでしょう でも、本作品は違います この世の中は「物…

この面白さ、もう理解不能、どうして

「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」(112/144) 「おそろし」の時は『ああ、おもしろい』 「あんじゅう」の時は『百まで、死ねない……』 そして第三作です もう、どうしましょ、この面白さ 別に大した話じゃないんですよ とある訳あり娘が 様々な人が語る怪談…

宮部にしか書けない、何か

「ペテロの葬列 上」(92/144) 「ペテロの葬列 下」(93/144) この結末は… 衝撃でした 以下、ネタバレ含みます それにしても これは宮部にしか書けない作品です 出来れば 杉村三郎シリーズを順番に読んでください そっちの方が 衝撃度が増しますので で、事件…

久しぶりに宮部クオリティ堪能

「桜ほうさら 上」(47/144) 「桜ほうさら 下」(48/144) 春樹に続いて宮部を読めるなんて なんて贅沢なんだろうか やはり、宮部は別格でした 今回は江戸もの 誰かの陰謀により父を殺され 江戸に逃げるように出てくることを余儀なくされた 浪人のお話し 全体を…

友達は……3,000頁の先にいました

「ソロモンの偽証6」(10/144) 何が凄いって 温度のキープ力が半端ない 宮部の力技 圧巻 ここまでの長篇なのに ここまでの劇的な事件なのに おさえて、おさえて、おさえて…… 物語が進む こんなに素敵なクライマックスなのに 温度の急上昇はない だから よく考…

夢の続きは……

「ソロモンの偽証5」(9/144) 裁判が始まった この550頁 夢を見せつけられている気がした 今まで見たことのない リアルだけど 振り向けば、そこに得体のしれないリアルが存在しそうな 夢、だよ、これは 中学生のバトルに オトナが巻き込まれていく様を パロデ…

これは、ファンタジーなんだ

「ソロモンの偽証4」(8/144) これは 宮部がしかけた ファンタジーなんだ 中学生が裁判を実施するというファンタジーなんだ 魔法はいらない ロボットとも必要ない そこには 論理と言葉のみ そんなファンタジー このファンタジーのラスボスは 最初に死んだ中学…

この先、まだまだ見えない

「ソロモンの偽証3」(7/144) 裁判、だって 検事と弁護士を同級生がやる 柏木卓也は自殺だったのか? 宮部の仕掛ける奇想天外な設定で 事件の真相が 全く別の角度から明らかになってくる 同級生が 自分たちで事件を解明する それも、オトナの手法に則って こ…

まだ1/3

「ソロモンの偽証2」(6/144) テレビに出た また事件が動き出した 悪意の積み重ねが善意を踏み潰していく と言ってしまえば簡単なのだが リアルは違うことを 宮部は丁寧に、そして冷酷に提示していく 正義と悪意は時として紙一重であり 無関心の中に芽生えた…

遂に、ですよ

「ソロモンの偽証1」(5/144) 遂にですよ 宮部の超大作ですよ もう、6巻も、大量に読めるから、嬉しすぎですよ 導入の500頁 事件は中学二年生にふりかかります 終業式、クリスマス 雪の積もる学校の通用口に死体が 自殺ということで関係者一同のコンセンサス…

泣いちゃうくらい面白いし

「お文の影」(117/144) 江戸 怪談 宮部 6つの物語、面白すぎ どうしようもないくらいに面白い 6つの「あやし」が登場する 掛け軸の中に 影に紛れて 布団に無数の眼が! わが子が鬼? 魂の再インストール ご存知、化け猫 哀しい、切ない、ちょっと微笑まし…

悶える……

「小暮写真館・下」(4/144) 悶える この、あまりも絶妙な、結末に なんだろう この「切なさ」と「嬉しさ」 この按配が、宮部クオリティ 悶えます 心霊写真探偵の話から 辿り着いた先は 実はシンプルなファミリーのストーリーでした とにかく、読んでください…

え、え、え、え、え、心霊写真!?

「小暮写真館・上」(3/144) いや 宮部みゆきの 懐の深さに もう感動を通り越して 恐怖を感じます 文庫の帯に書いてある どこまで行くんだ、宮部みゆき! その通〜〜〜〜りっ!!! この人は 本当に存在するんでしょうか? まさか「写真館」というタイトルから …

百まで、死ねない……

「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」(111/144) 中村ダブルの後に 宮部を読めるとは幸せ幸せ 本当に幸せ 百物語シリーズの2作品目 聞き手のおちかも成長しました その成長と共に 多数の魅力的な新キャラ登場にも支えられて 怪奇な物語が語られます 今回はち…

覚悟の読書

「英雄の書・上」(132/144) 「英雄の書・下」(133/144) 宮部みゆきのファンタジー 久しぶりでした で、これはハイブローですよ ファンタジーの形をしながらも、ここまで書くか 悲しい現実を…あえてファンタジーにする ファンタジーだからこそ 現実の無様さが…

ああ、おもしろい

「おそろし 三島屋変調百物語事始」(102/144) 文庫の帯に書いてある通り 江戸中から集められたふしぎ話が、 娘の傷ついた心を溶かしていく。 それだけの物語です。 でも、それが良いのです。 読者の心も 江戸の町並みに、心やさしく溶けて行くのです。 五つ…

江戸に生きる、人として生きる

「おまえさん 上」(6/144) 「おまえさん 下」(7/144) 文句なし。 圧倒的な面白さ。 文庫1,200頁がこんなに愛おしいなんて。 宮部みゆき、に感謝の文化の日です。 ぼんくらシリーズの三つ目。 薬屋の主人が斬られた。 むむむ、これは連続殺人かも? ご隠居、…

幽霊に、こんにちは

「チヨ子」(129/144) 短編集。 表題作「チヨ子」、秀逸。 着ぐるみに入ったこと、ありますか? 僕は一回だけあります。 あの時の気持ち、 ワンダーです。 幽霊が見える感じがします。 本作品、正確には幽霊じゃないかもしれませんが、 何か、幽霊らしき感覚…

宮部は、何が違うんだろうか?

「楽園・下」(57/122) 16年前、 殺した長女を床下に埋めた夫婦と 当然ながら同じ家で暮らしていた次女のお話。 どうして、長女は殺されたのか? その理由に取り憑かれたのは、 あの「模倣犯」の前畑。 このテーマ、宮部みゆきがどう書くのか。 ああ、こう書…

上巻だけで。。。

「楽園・上」(56/122) もし、このまま、 下巻を読まなくても。 結末まで読まなくても。 この、宮部みゆきの、 この作品の前半500ページは読書の悦びを約束してくれるかと。 これは、 妄想ではないはずです。 あの「模倣犯」事件から9年。 前畑が取り組みは…

今年も読書は止められません

「日暮らし・下」(28/122) 2009年は宮部みゆきでスタートです。 人を殺める訳について考えたことがありますか。 当然、認められる訳はありません。 ただ、人の心、情けとして、 その訳を受け入れてあげる必要はあるのではないでしょうか。 が、しかし、 本…

みゆきのお江戸で年跨ぎってか

「日暮らし・上」(26/122) 「日暮らし・中」(27/122) 2008年は宮部みゆきで終わります。 135冊目。 幸せです。 でも、物語はまだ下巻が残っていますが。。。 時代物は実は苦手で、 宮部の江戸モノしか殆ど読みません。 ちなみに今年読んだ時代物は「孤宿の…

いやあ、宮部みゆき、ですよ、完璧

「孤宿の人・上」(98/122) 「孤宿の人・下」(99/122) 読みながら、 涙が自然にあふれてくる。 太平洋上の飛行機内で、一人、泣いてました。 宮部の江戸もの。 本作品は四国の丸亀を想起させる小さな町が舞台です。 主人公「ほう」の心の健やかさに、 完璧…

こんな素敵な人になりたい

「あかんべえ・下」(37/122) 解説の菊地秀行の言うとおり! 激しく納得!! もう、この主人公「おりん」ちゃん、 その造形の素敵なこと、素敵なこと。 読んでいて、これほどまでに清清しいことがあったでしょうか。 彼女の活躍する続編なり、サイドストーリ…

出だし30頁の素晴らしさ!!!

「あかんべえ・上」(36/122) 誰かからこんなジョークを聞いたことがある。 小説家には二つのタイプがある。 宮部みゆきと、宮部みゆきじゃない人達、の二つのタイプが。 うーむ、納得。 お馴染み江戸モノ、それも長編です。 導入部分の素晴らしいこと、素晴…

いつでも、どこでも、誰にでも

「名もなき毒」(126/108) 宮部みゆき、って。 このギリギリまで抑えた480頁。 普通の作家ならば、もっと盛り上げたり、メリハリつけたりするでしょう。 でも、宮部みゆきは。。。 読者の思惑を大きく越えた所で、自由気ままに、そして巧みに、 並々ならぬ文…

勇気があれば何でも出来る。シンプルだ

「ブレイブ・ストーリー/下」(84/108) 少年は強くなるのです。 それが大事なのです。 強いのは、体ではありません。 筋肉や運動神経は二の次です。 心の強さ、そう勇気なんです。 そんなシンプルな話ってことは読む前からわかっているのに、 宮部みゆきって…

宮部ファンタジー、ここにあり。

「ブレイブ・ストーリー/中」(82/108) で、真ん中。宮部みゆきのやりたい放題に追随してる感じかなあ。 少年が大人に成長する過程を、 如何にさりげなく、ドラマチックに描写するか。 江戸モノでもミステリーでも一緒。 それがファンタジーならば、こうでし…

まさに、宮部ストーリー

「ブレイブ・ストーリー/上」(81/108) 宮部みゆき、全開です。 映画化の前に読まなくては、当然でしょ。 ファンタジーに突入する前置きの約400ページが、 たまらなく、宮部ストーリー。 今回は中学生じゃなく、小学生なんだ。 複雑な人間関係を敢えて軽く綴…