趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

有栖川有栖

文庫700頁で語られた事件と人生

「鍵の掛かった男」(29/144) いや、長かった、700頁 でも、この厚みが「殺された」主人公・梨田の人生を 物語っているのかな、と ホテルで「死体」で見つかった梨田 自殺とされたが 他殺ではないのか… 謎の男、梨田の過去を知ることが出来なければ 自殺か他…

謎を見つけよう

「怪しい店」(52/144) 文字通りに怪しいお店が5店 5つの短編ミステリ集 骨董品店 古本屋 ブランドショップ 理髪店 相談屋 やはり、四つ目が白眉でしょう 田舎の駅 電車の本数が少ない そこで 暇つぶしとして理髪店に入る まず、この設定のちょっとだけ現実…

まさかのドラマ化ですが…

「菩提樹荘の殺人」(49/144) 火村准教授のキャステイング ありかなって思いました で、本作品は4つの短篇です 若さ(とそのアンチテーゼである老い)が軸にあります 少年犯罪と社会 若手芸人 大学生時代の思い出 アンチエイジング そんな話題に関係する事件…

名探偵全否定

「論理爆弾」(160/144) ソラシリーズ第三弾 最初は父が逮捕され 次は探偵への第一歩を踏み出し 本作では、母の追跡を開始する で、ネタバレになるので書けないのですが これは凄い… 名探偵を目指す少女の物語での 名探偵の名推理という仕組みを根底からぶち…

小馬鹿ですが

「高原のフーダニット」(25/144) うん、小馬鹿にしてる でも、本格 これでいいの? でも、完全に本格だから 有栖川はヤルね 特に一作目「オノコロ島ラプソディ」 あまりにも『酷い』トリックに 打ちのめされました 最初、読んだときは「ありえね~」と思うが…

『中弛み』ならではの緊張感

「真夜中の探偵」(153/144) あれから数か月 舞台は大阪へ ソラ・シリーズ第二弾 まさかの母登場 もちろん、本作品内での具体的な進展はありませんが 徐々に、ソラの抱えている問題の大きさが 見えてきたかな……って感じ この中途半端な状態が 一番面白かった…

低温の魅力

「闇の喇叭」(131/144) 低い このテンションの低さが 作品の緊張感を徐々に徐々に高めていく たまらない 静かに興奮出来る 久しぶりに、来た、かもしれない 設定からして痺れます USAの原子爆弾の開発の遅れにより 歴史の流れが変わり 朝鮮半島ではなく 日本…

有栖川のあふれる「愛」を感じます

「虹果て村の秘密」(149/144) そう ミステリというジャンルに関する 最大限の愛を…… 推理小説家志望の少年と 警察官志望の少女が 夏休み、とある村で殺人事件に巻き込まれる で、この作品の特筆は この登場人物二名と同世代(小学校高学年あたり)の少年少女…

普通に、本格に、ミステリであり

「妃は船を沈める」(103/144) 有栖川の火村もの 実に普通のミステリ 美しく、怪しき、魅惑の「女」が登場する ベースに存在する 三つの願いを叶えてくれる「猿の手」 二つの殺人事件があります 車で水死と 銃殺と それぞれの犯人の訳が いいんだよな〜 本格…

これが、短編推理小説だぜ

「火村英生に捧げる犯罪」(119/144) 有栖川の本格短編。 全てがストレートに本格。 どれも素晴らしい出来です。 惚れ惚れしちゃう。 長編とは違った楽しみ方をしたいですね。 そもそも、長編と短編は「目的」が違うと思うので。 同列に並べたら、 それは書き…

15年とは。短いのか?長いのか?

「女王国の城・上」(72/144) 「女王国の城・下」(73/144) 有栖川有栖。 江神シリーズ4作目。 前作「双頭の悪魔」とのインターバル15年、とのこと。 個人的には2007年に読んでいるので4年ぶり。 それでも長いかぁ? って、15年も物語が続いているなんて。 い…

有栖の気合い

「マジックミラー」(91/122) トリックとは、 ミステリーの根幹である。 そんな有栖川有栖の本質を堪能できる作品です。 アリバイに挑む。 アリバイを崩す。 作品内でアリバイトリックの講義まで実施するほど、 読者にヒントを与えつつ、 読者に挑む、そのミ…

このトリックに、やられた

「モロッコ水晶の謎」(82/122) 3中編+1掌編。 どれも、見事な謎解きを披露してくれます。中編3つのテーマも ・誘拐・連続殺人・密室系 どれもミステリーの王道を突き進む作品です。中でも、やっぱり、タイトル作品は素晴らしかったです。 ※すいません、以…

700頁、堪能。美しき、謎。

「双頭の悪魔」(73/122) 気がついたら午前9時。 まさに一気読み。 というか、有栖川有栖に一気読みさせられた、感じ。 直球勝負のミステリーだけど、 一見、そう見えないところが流石です。 だから、作品の中に違和感無く吸い込まれていくのでしょう… 一気…

ニヤリ、、、でも、裏にある悲哀。

「ペルシャ猫の謎」(30/122) 有栖川有栖じゃなきゃ、このアプローチは無理でしょう。 この表題作。 まさに「本格」であり、「本格」という戦場での真剣勝負。 ただ、初めて有栖川作品を読む人には進めないな。。。 ある程度、この「戦い」のルールを知った…

パズルを読む。文字を解く。

「ロシア紅茶の謎」(9/122) 有栖川有栖の、卒ない短編集。 ナイス。 久しぶりに犯人当てに燃えてしまいました。 うーむ、1勝5敗。 自分は、敢えて犯人当てを避けて、読む習性があるんですが、 本作は、 当てなければならない心境に、さりげなく誘い込む。…

清々しい推理小説、満喫。

「46番目の密室」(110/108) 有栖川有栖、「本格」推理小説、あー楽しい。 密室トリック、こう来るか。 直球勝負であり、 ある意味、牽制球的なサプライズでもあり。 でもでも、やっぱ推理小説。 見事な謎解き、王道であり本格的であり。 ネタばれしちゃうか…