趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

湊かなえ

最後の一行

「リバース」(72/144) 湊としては、珍しく「普通」の体裁のミステリです で、最後の一行の為に 書かれた作品なんですよね となると 映像化には向いていないのですが 最後の一行縛りを無視すれば 実に、映像化に向いていると思います 大の大人がオロオロする…

登りたい。

「山女日記」(165/144) うわー 山、登りてぇー 湊っぽくないけど 湊の技巧をたっぷり楽しめる作品 これは凄い 山を登る時のあの感覚が蘇る 登って またその分降りるという 非常に「無駄」な動きが登山の本質だと思う 移動ではない スピードや距離を争うこと…

優秀な高校

「高校入試」(89/144) 最初からテレビドラマ想定の作品だったんですね だから 湊にしては 非常にソフトでライトな内容でした 高校入試本番の 前日から当日深夜までの二日間の物語 前日に入試妨害を思わせる予兆がありつつ 入試、当日は ちょっとした事件が起…

誤解を恐れずに言う。田舎は嫌だ。

「望郷」(56/144) もう途中から 吐き気がしてきました それほど 僕の心を鋭く切り裂きました 本当に 読むのが辛かった とてもハードな作品です 今まで読んだ湊作品の中でピカイチでした いや、凄い なんだ、この閉塞感 瀬戸内海に浮かぶ小さな島での物語が六…

久しぶりの妄想キャスティングww

「境遇」(30/144) 通常の湊の作風とは 少し違う で、解説で最初から テレビドラマ原作として書かれた作品であるということ知り 合点がいきました 児童養護施設出身の女性二人 政治家の妻と新聞記者 普通に育った人には知りえない 強い絆で結ばれた二人だ そ…

(言い方悪いですが)女って、怖い

「母性」(137/144) ああ、怖かった これは怖かった 母であること 娘であること 女性は一生「娘」であることが可能なのかもしれない そもそも「母」に向いていない人がいる悲劇 父であること 息子であること 男性は「父」になることを義務付けられているのか…

湊クオリティ、炸裂

「サファイア」(110/144) 湊らしくない 心優しき物語 がギュっと詰まってます ま、「湊らしさ」って何かという問題がありますが 今回は短編集ということもあるのでしょうか 心優しいだけではなく 読者に対する優しさも感じました 読みやすいです でも、もち…

湊節炸裂

「Nのために」(162/144) いつも通りの湊スタイル で、純愛 4人のNの語り 杉下は女 安藤は杉下の友達 成瀬は杉下の幼馴染 西崎は杉下と同じアパートに住み小説家志望 表の語りと 裏の語り その4人に多大なる影響を与えた いや もしかしたら、この4人に翻弄さ…

チャレンジか?マンネリか?

「白ゆき姫殺人事件」(64/144) 同じ手法で ここまでやるか…… 登場人物の「語り」と それを元に構成された 「つぶやき」(所謂『Twitter』です)と「記事」(ここでは『週刊誌』という紙媒体) のみで成立している作品です つぶやきの中には匿名ながら登場人…

天晴、湊クオリティ

「花の鎖」(146/144) 巧い とにかく巧い 以下、ネタバレです ま、読んでみましょうよ 3人の女性の物語 商店街で売られいる「きんつば」をキーに 最初は別々に展開していきます 花パートは 勤めていた英会話教室が倒産してしまった話しから 雪パートは 主婦の…

この嘘は深い、とても深い

「夜行観覧車」(56/144) 最初に 今、放映中のドラマとは 物語的には全く関係ありませんので 安心して、見たり、読んだり出来ると思います で、この「仕掛け」は深いね 殺人に至るまでの些細な仕掛け 殺人の遠因となる家族の仕掛け そして 殺人に決着をつける…

紙に筆記用具で文字を書く喜び

「往復書簡」(5/144) 直筆、いまや魔法 その魔法を こんなに上手に活字で表現してくれるなんて 確かに、この手法の小説は多々あります でもそれは この手法が圧倒的に優れているから シェイクスピアが今でも演じられているのは そのシェイクスピアの手法が普…

悪意と善意、湊かなえと辻村深月

「贖罪」(126/144) ホント、一気読み 湊の手法は やっぱり、一級品だね 圧倒的に、絶対的に 読者を前のめりにさせる文字の流れを眺めているだけで、、、 気持ち良すぎです で当然、手法だけじゃないですよ 中身も胸にささる この感覚、辻村深月と近いと思い…

上手い・・・

「少女」(62/144) 読み終わったら、 そのまま読み返しました。 はい、 読み返さずにはいられません。 驚愕のラスト!!ではないのですが、 え、え、ええ、ええええー… って感じです。 今まで読んできた事象の断片を 再構築しないではいられないわけです。 あ、…

ラストは

「告白」(78/122) 本当なの? それとも嘘なの? やっと読みました。 で、これ、思った以上の問題作。 登場人物の誰に感情を移入すれば良いのか不明。 だって、全員、ちょっと、、、 普通、そういう作品って、駄作なんだけどね。 告白する以下5人。 全員、絶…