趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

貫井徳郎

不幸な美

「ミハスの落日」(2/144) 世界を旅するミステリ スペインのミハス ストックホルム サンフランシスコ インドネシア そして、エジプトのカイロ この秘密を隠し続けることを決意した人 思いがけず秘密を暴いてしまった人 秘密が出来てしまった人 そして、秘密を…

あは…こう来るのか

「ドミノ倒し」(149/144) やっぱ、貫井はやってくれますね 一種の王道パターン ちょっと間抜けなハードボイルド風私立探偵が ちょくちょくミスを重ねながらも 最後は 全てが収まるべきところに収まって 大円団… な〜んてことにはならないんだ やっぱり 貫井…

不気味

「微笑む人」(13/144) なぜ、殺人事件があると 人は「動機」を知りたがるのだろうか 殺人者の気持ちを知って 何の得があるのか 敢えて、理由を述べるならば 殺人という 自分とは遠い世界の不気味な出来事を 理性で処理して やっぱり、自分とは遠いんだ と納…

こんな風に…

「新月譚」(133/144) こんな風に人を好きになれたら… こんな風に人に愛されたならば… 文庫600頁超え これは狂気のラブストーリーなのか 文庫の帯には 大きく「地獄」の文字が躍る この厚き物語の 結末を 僕は美しいと思ったが そうだろうか とある人気作家の…

青春の光と影、とは良く言ったものだ

「明日の空」(91/144) さわやかだな〜、貫井にしては 素敵な青春、描いてるな〜 主人公が、可愛い帰国子女の女子高生だもんな〜 意外だな〜 でも もちろん そこには邪悪な心が隠れているんですがね そして、このドンデン返し…… この「仕掛け」は クリーンヒ…

後半以降の急展開、これは初めてだね……

「後悔と真実の色」(79/144) あの、貫井の作品なので 一筋縄じゃいかないとは思ってましたが 文庫、411頁からの、予想外の出来事には ちょっと、度肝抜かれました でも、その急展開も この作品の中では あくまでも事件の伏線でしかありません 解説で言及され…

ほんの些細な悪意の積み重ね

「乱反射」(59/144) 救われない・・・ 本当に 救われない・・・ 読めば読むほど、救われない・・・ 貫井にしか書けないだろう、この救われない雰囲気 みんなの悪意が、罪の欠片が 人を殺すことになる 風が吹けば桶屋が儲かるの悪意バージョン 犬の糞を放置し…

軽い、というテクニック

「被害者は誰?」(144/144) 貫井が真剣に「ライト」なもの書くと、 こうなります。 連作集。 名探偵作家とドジな後輩刑事とのコミカル・ミステリ。 表題作は「被害者」をあてるミステリ。 その後も「目撃者」「探偵」をあてる作品が続きます。 犯人をあてる…

少年少女の罪

「空白の叫び・下」(126/144) 凄い作品でした。 素晴らしい作品でした。 14歳で人を殺した3人の物語。 文庫1,300ページの長編。 社会から追い詰められて、 精神的な逃げ場を求めて、 少年たちは何をする。 仲間同士の負の駆け引きを織り込みつつ 銀行強盗を…

生きる方法

「空白の叫び・中」(125/144) 貫井徳郎、長編。 中巻は、 前半は少年院での過酷なサバイバル。 14歳で生きるための最もシンプルなシステムを学ぶ。 強くなるか、 耐えるか。。。 その中のキーワード。 植物、のように生きる。 突き刺さります。 賢さ、孤独さ…

人を殺したいと思う気持ちが分かったかもしれない

「空白の叫び・上」(124/144) 貫井徳郎、長編。 文庫は上・中・下で、 それぞれが軽くまとまっています。 上巻は、 14歳の少年3人が、 人を殺すまでの物語。 エリート、はぐれ者、複雑な家庭。 14歳まで成長してくる中で、 ある「時」にたどり着いたときに、…

人を殺したいと思う気持ちが分かったかもしれない

「空白の叫び・上」(124/144) 貫井徳郎、長編。 文庫は上・中・下で、 それぞれが軽くまとまっています。 上巻は、 14歳の少年3人が、 人を殺すまでの物語。 エリート、はぐれ者、複雑な家庭。 14歳まで成長してくる中で、 ある「時」にたどり着いたときに、…

人を殺したいと思う気持ちが分かったかもしれない

「空白の叫び・上」(124/144) 貫井徳郎、長編。 文庫は上・中・下で、 それぞれが軽くまとまっています。 上巻は、 14歳の少年3人が、 人を殺すまでの物語。 エリート、はぐれ者、複雑な家庭。 14歳まで成長してくる中で、 ある「時」にたどり着いたときに、…

新興宗教って、何だ?

「夜想」(73/122) あの「慟哭」から17年、ですか。 貫井が、改めて、新興宗教を書く、と聞いたら 読まないわけいかないです。 あの感動を。 読者が受けた圧倒的な衝撃を。 本作品では、どうするんだ? 交通事故で一瞬に妻と娘を失った男の魂が、 ある女性と…

作家の罠

「愚行録」(110/122) インタビューと独白で構成された作品。 貫井徳郎ですから、 注意して読み進めなくちゃ、 仕掛けられた罠にはまらないようにしなくちゃ。 と、思いながら読み始めるものの、 一気に文章の中に取り込まれてしまい、 まんまと罠に。。。 …

詐欺、したい。それが、何か?

「悪党たちは千里を走る」(33/122) 悪党のコミカル・ミステリ。 誘拐という、誰もが憧れる(?)シチュエーションで、 小悪人が右往左往する、 実にコンパクトでキャッチーは作品。 貫井って、こんなタイプも書けるんだ、、、と感心。 ねえ、「慟哭」の人っ…

悪意を感じない力

「追憶のかけら」(127/122) 貫井徳郎、 長編、文庫653ページ。 巧みな仕掛けで、 読書の、犯人探しという試みを、悉く翻弄する。 ページの残りから見て、 ミスリードだと分かっていながらも、 作者の罠にはまってしまう。 二つの物語が同時進行する。 全く関…

Xmas一気読み第二弾は貫井作品で重く。。。

「殺人症候群」(23/108) 久しぶりの貫井徳郎作品でした。ああ、重い。 ああ、救われない。 ああ、痛い。未成年犯罪がテーマ。 正義、命、法、社会、復讐、魂の抜け殻。ああ、答え無い。 ああ、苦しい。ああ、これは他人事なのか?明日は我が身?どうしたら。…