愛のある小説
「探偵映画」(37/122)
我孫子武丸の初期の作品。
1990年。
なんか、良い時代でしたよね。
携帯電話も普及してなくて、インターネットも無くて。
世紀末に向けての最後の「ゆとり」期間みたいな。
そんな時代背景を勝手に思い起こして読んだからでしょうか。
実に温かい作品だと思いました。
映画とミステリ対する愛情にあふれてます。
とある、ちょっと癖のある映画監督が撮影途中で失踪!?
残されたスタッフ&出演者のドタバタした感じとか非常に楽しくて。
撮影所のシーンとか、とても繊細で、なんか納得させられるし、
皆の映画に対する思いとか、あえて屈折させることなく、
素直に描いているところとか、
ソフトな感じが素敵です。
役者さんもスタッフさんも気持ちは一つ。
よいものを作り、人に見せたい。
そして、それだけでなく、
その先は、成功して、世に出たい。
このシンプルな希望(野望?)が心地よいです。
そして、ラストのオチは、、、
あ〜、こうきたか。
ミステリファンならば、きっと悔しいけど、許せる、そんな感じ。
人と死なない、殺しのないミステリとしての完成度は十分。
さすがですね。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 我孫子武丸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 文庫
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