趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

盛り上がる事だけが大事なのではないのだよ

愚者のエンドロール」(135/122) 
 
 
米澤古典部シリーズ、その二。
氷菓」は読んでいました。
遠まわりする雛」が文庫化されたので、
ここは一気読みだろ、ってことで、高校生活に逆戻りしています。
 
それにしても、感情の起伏の薄さが秀逸。
表面的な文章上での限りなく抑えたエモーショナルな描写。
その何事もないという凄さを淡々と語るカタルシス。
読んでいて、何か、感情が動かされる。
で、さらに、凄いのは、
その無感情さの裏に、モンスター高校生達はマグマのような気持ちを、それは悪意として語られることが多いのだが、持っているはずであると米澤は決めつけない。
そのスルーするセンス。
一歩間違えば、無責任な作家になるギリギリのライン。
人は、思いのほか、普通に、何事もなく過ごしているという事を教えてくれる。
流石、米澤クオリティ。
 
学園祭向けの映画を撮影している途中で、
脚本担当者が病気でダウンしてしまった。
その先を、作りたいのだけども、
推理でも、なんでもいいから、どうしたらよいか教えてほしい。
そんな依頼が千反田、伊原、福部、そして折木のところ、とどのつまり古典部に舞い込んできた。
 
関係者の意見をヒアリングしながら、
あるべき結果を折木は探し求める。
 
終盤の四人のコンビネーションが最高です。
本当に素敵なミステリーです。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

愚者のエンドロール (角川文庫)

愚者のエンドロール (角川文庫)

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