趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

音の意味

「うさぎ幻化行」(106/144) 
 
 
音の遺言
死んだ義兄の残した音のメッセージ
それは何か?
音響技師だった男の仕掛けた罠は
人を騙すためのものではなかったのか……
 
北森の実質的ラスト作品です
ファンタジーのテイストの裏に隠された
誰もが心の奥に隠す鋭い牙
 
ほっこりした気分のミステリなのか
非常にテラーなミステリなのか
読み進めているうちに
読者自身が幻化していく感じ
 
いきなり航空機墜落事故からスタートしたかと思えば
ブルートレインの旅が出てきたり
謎の女も突如あらわれ
翻弄されきった先に見えたのは?
 
今、自分が何を聞いているのか、自分の意志で知る音
何が聞こえているのか、環境としての音
そして
意図的に排除している音は何か……
  
音というテーマを
文字だけで書ききる難しさと
逆に「文字でしか」聴くことが出来ない発見もあり
様々な意味で楽しめる
第一級のハイクオリティな作品です
 
 
それにしても、惜しい、北森、本当に、惜しい
 
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから




   
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