非常に冷たいミステリーのようです。が、しかし。
「扉は閉ざされたまま」(57/108)
石持浅海作品、初めて読みました。
シャープで冷たいタッッチで進むストーリー。
犯人は最初からわかっている「倒叙もの」です。
犯人の語りと、周囲の登場人物の語りが絶妙であり、
そこに犯人の心の中のセリフがからみあう。
進行は至って冷たい。クール。もの静か。
が、その裏に流れる思いは、
決して沸騰はしていないんだけど、
ぬるく、じわじわとくる感じ。
体験した事はないけど「岩盤浴」みたいかも。
背筋が、たまにゾゾッとする、こそばゆい感覚。
そして、このラスト。
うーむ、非常にうまい。
きれいなモノクロ写真をさりげなく見せつけられた気持ちでした。
※妄想キャスティング http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 新書
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