趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

ココロの表ギトギト、裏ザラザラ。

「照柿・下」(111/108)



嫌な話だ。
嬉しい事がどこにもない。
全てが楽しくない。
仕事も最悪。
家庭も最悪。
恋愛も最低。
ああ、生きている意味なんか、どこにもない。
もう、死んでしまった方がまし。
唯一の光明は合田と義理兄との「大人」の関係かなあ。
この二人の冷めた、乾いた二人だけが、
この小説の緩みかと。




でもでもでも、
これは面白い小説です。
人の弱さと強さは表裏一体。
弱ければ弱いほど、強くなれるんです。
読んでると、すごーーーく落ち込むけど、
読了後、ふつふつと力が湧いてきます。
その力を、明日に、前に、明るい方に向けていくのが
生きていくという事なのではないでしょうか?
そんなメッセージがしみ込んでいる作品かと。


小説ファン、必読!
高村薫、秀逸!!


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照柿(下) (講談社文庫)

照柿(下) (講談社文庫)