「本当」の事って、あるんでしょうか?
「真相」(12/122)
横山秀夫という作家は、
非情な文章を書きますね。
でも、それは、優しい視点を持っているからこそ、
書けるに違いない。
人の不安、恐怖心、弱さを知っているから、
書けるに違いない。
短編集です。
犯罪における、被害者、加害者、その周辺にいる人たちの、
冷たくも悲しい心の動きが、
各作品ににじみ出ています。
一番好きなのは「不眠」かも。
切ない市井の人の決断。
その決断は、善か悪か?
間違いなく「悪」なんだけど、
そう言い切れるほど、強い心は持ち合わせていません。
本当の事を知ってしまう。
でも、その「本当」は、別の人から見れば「虚偽」かもしれない。
その「虚偽」を容認して生きているんです。
私たちは。
心、痛くなるけど、読んで欲しいですね、この作品。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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