趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

絶望的でも、いいじゃない。

「手紙」(22/122)



やっと読めた。
年内ギリギリ間に合った。
で、改めて、年の瀬に読んで良かった。
この、自分の生活が静かになる年末に、心、痛く、そして強くなれた。


強盗殺人犯の弟と、どうつきあっていくか?
シンプルな話だけど、、、


もちろん、兄と弟は違う人間だから、
気にしない、という「綺麗ごと」は言えるけど、
そんなに強い人間なんでしょうか、自分は。
やっぱ、ヤダよ。
だって、ねえ・・・


でも、敬遠すると、その心の弱さが、更に自分を傷つける。
自分はそんなに卑屈で矮小な人物なのかと。


そんな心の揺れを、
東野圭吾は静かに、確実に、読者に惹き起こす。


地下鉄の車中で、読みながら何度も涙腺緩みまくったけど、
その涙の意味は、
このシーンで泣ける自分は、
真っ当で、心美しくて、弱いものを助ける気持ちのある人であることを、
証明することにあるんじゃないのか?
そんな汚い自分の存在を、
読み終わって、ちょっと、感じました。


差別のない世界なんて、
人間が、生物が絶滅するまでやってこないんいじゃないの。
そんな絶望的な考え方を受け入れることから、
少しずつ、世の中は良くなっていくのかも。




はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)