趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

運って、ありますよね

「毒魔」(69/122)




運の良い人、悪い人。
自分はどっち…


きっと、良い人だと思う。
じゃ、この本の主人公、コーソは?



シリーズ4作目、やっぱり彼はトータルで見ると運が良い。
というか、悪い運を、強引に良い方に引っ張っていく。
しなやかな剛腕に読者は引き込まれていくのかもしれない。



今回は細菌兵器ですよ。
一気に100人以上が死んでしまうという派手な導入。
でも、コーソが主役なので、物語は地味に展開。
相棒のメグ・ドアティも地味に活躍。
本当に地味な小説です。
衝撃的でインパクトの大きいテーマを、
抑えて抑えて、ジワジワと進めていくG・M・フォードの力量、素晴らしいです。



で、今回登場する、二人のサブキャラがとても良いです。
メグが偶然乗り込んだタクシーの運転手「スティービー」と、
「冴えない」テレビレポーター、ジム・セクストン。
本当に活き活きしています。
良い運、悪い運、その間で、二人の話す言葉が、行動が、心の動きが、
この作品を、ただのハイテクスリラー以上のものに押し上げていると思います。





で、きっときっと、
運は良いと思い込むモノである、それが正解なんですよ。
この作品を読んで、ちょっと確信。






はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676

毒魔 (新潮文庫)

毒魔 (新潮文庫)