人生はニガい
「深追い」(87/122)
一つの警察署に勤務する、
七人の男たちの人生は、それぞれである。
警察という「会社」の中で繰り広げられるドラマは、
普通の会社のそれと、本質は変わりないだろう。
そう、変わらないはず。
横山秀夫の抑えた筆が、その一般社会との同一性を描いていく。
彼らも普通のサラリーマン。
ただ、業務の最終的目的、普通の会社は利益の追求である、が特別なだけ。
もっと給料をもらいたい、とか。
違う業務に就きたい、とか。
サボりたい、楽したい、とか。
出世したい、とか。
同じに決まってる。というか同じじゃなきゃ、理不尽だ。
そこにドラマがある。
ちょっと苦いドラマがある。
だから、僕らは横山秀夫を読む。
警察という社会にある、理不尽を感じたくて。
そう、その理不尽さは、誰もが持っているものなのでは。
七作品、どれも絶妙。間違いなし。じわっと来る。
読後、手を握り締めて、納得する感じ、堪能。
一、深追い、淡い。
二、又聞き、開いた喜び。
三、引継ぎ、巧み。
四、訳あり、苦いねえ。
五、締め出し、ここから始まる。
六、仕返し、ここで終わりじゃない。
七、人ごと、優しいな。
どれも素晴らしい。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676
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