趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

市井のスパイ

「6ステイン」(91/122)



静かなる職業軍人達の人生。
福井晴敏の熱き思いが、
豪速球ではなく、背後から迫り来る。


6つの短編。
市ヶ谷の精鋭たちが、国を守る。
否、心を守る。
ヒーロー、ヒロインもいないし、派手な工作もない。
地味に、確実に、誠実に、自分達の心を守る為に闘う。
そのひたむきな姿に、心を打たれないわけがない。
過酷な状況の中で、なぜ、彼らは、彼女達は「業務」を「執行」するのだろうか?
絶対、理不尽だよ。
でも、でも、皆、「働く」のである。
その姿、美しい。ただ、美しい。こんな美しい「仕事」、見たことない。



熱い。やはり熱い。福井は。
ローズダストのように、圧倒的な活字の激流の中に飲み込まれる熱さは無い。
この静かなで緩やかな熱さに、心打たれる。
なんて、気持ちの良い。なんて、昂る。


素晴らしき「スパイ小説」、オススメ。




はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676

6ステイン (講談社文庫)

6ステイン (講談社文庫)