気持ちよく、美しく、潔く、推理する
「アイルランドの薔薇」(92/122)
本格推理小説。
その言葉がピッタリです。
まじ、一気読み。あっという間に一気読み。
石持浅海に完敗、そして乾杯。
解説で西澤保彦さんが、
〜斬新なクローズド・サークルを考案する新鋭〜
と石持さんの事を評しています。
そうなんです。
斬新なんです。でも、かなり緻密。隙の無い斬新さ。
だから、読者はのめり込んで行くんです、どこまでも、どこまでも。
美しきパズルを必死になって解くも良し。
解決は登場人物達に任せて、潔く文章の波に身を委ねるのも良し。
だって、舞台はアイルランドなんですよ、いきなり。
別に熱海でも、佐渡島でも、琵琶湖でもいいじゃないですかぁ。
とか思って読み進めていくんだけど、
この話は絶対アイルランドじゃなきゃダメなんです。
斬新な上に必然でもある。
だから「本格」である、と人は言うのでしょう。
また、ラストも奇麗です。
妙に盛り上げすぎない引き際が素敵です。
所謂「スマート」って奴でしょうか。
良質の作品、ありがとうございました。
推理小説が好きな人は、一読の価値ありです。
是非。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676
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