力を抜くというのは、こういう事なんだ。
「チルドレン」(107/122)
伊坂幸太郎にはかなわないや…
面白い。ああ、絶望的に面白い。
短編5作が一長編として徐々に輪郭を現してくる。
本当に旨いね。
主要登場人物の設定。
さりげなく盲目の青年を入れ込むところなんて。
マジで旨いね。
家裁調停官なんて職業を持ってくるなんて。
あーっ、旨いね。
1作目の銀行強盗。
2作目の万引き。
3作目の「事件」。
4作目の離婚。
5作目の傷害。
全て、肩に力が入っていなんだよね。
軽いんじゃないの。弱いんでもないの。
芯は丈夫で圧迫力充分。
だからこそ、目の前ギリギリまで、
シャープにさりげなく、
風景が、迫ってくる。
気がついたときには、既に伊坂に落とされてる。
イチローの打つホームランみたいな感じかな?
それとも、
吉永小百合の見せる微笑かなあ?
じゃなくて、
松田聖子の「夏の扉」かも?
ま、とにかく、面白い。
一気読みしてる自分に気が付く前に一気読みできる。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/15
- メディア: 文庫
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