賢い人たちが活躍すると、こうなる。
「交渉人」(108/122)
スピーディな展開なんだけど
実は、大した事が起こっていない。
ずっと同じ場所で物語が進む。これは新感覚。
よくもまあ、こんな地味な設定の中で、
これだけの仕掛けを用意してくれました。
感嘆。
リアルを越えたリアルか!?
タイトル通り、交渉人が、犯人と交渉する話なんです。
相手は病院立てこもり犯。
人質約50名をいかに解放するか。
電話での交渉が繰り広げられる。要するにトークが。
五十嵐貴久、凄いです。
トークだけの小説を書こうなんて思わないです、普通。
いやあ、果敢なチャレンジ、大成功。
人は会話することで生きているんだ。
人と話さなくなった時点で、その人の存在自体が消えてしまうんです。
きっと。
で、もちろん、一筋縄ではいかない結末が待ってます。
途中でネタばれが分かったような気にさせるテクニック。
読者をミスリーディングさせる匙加減が、うまいねぇ。
で、敢えて苦言を呈するならば、最後の真実の吐露の部分。
気持ちは分かるが、
もう少し薄くした方が、読者の感慨も深まったのでは?
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/04
- メディア: 文庫
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