趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

皮肉いっぱい、夢いっぱい

「図書館員・上」(109/122)




アメリカ大統領選挙ものです。
王道。
やっぱり、北米のサスペンス系・謀略系小説は、
大統領が絡まなくちゃね。
大統領という記号でアメリカは辛うじて一本の筋で繋がってるって感じ?
非常に脆弱な社会だからこそ、
圧倒的な記号が必要なんでしょう。


で、その圧倒的な大統領をとりまく、
絶大なる権力・富・知恵を持ったオバカな人達が右往左往する様を、
抑えたトーンで上品に書き綴っている本作品。
あ、もちろん、大統領もオバカです。ご安心ください。


大真面目に、超シリアスに、ソリッドにハードに、
物語は、平凡な図書館員を軸に、
様々な問題をはらみつつ、静かに大いなるうねりを産み出し、
大統領選挙戦はサスペンス度を加速させていく。
緊張感あふれる展開に読み込まれていく。


でも、根にあるのはオバカ。
そこが非常に楽しめる。秀逸。



翻訳者の真崎義博さんの感性も◎。



この皮肉に満ちた世界を、
目いっぱい楽しむ、休日、なかなかいいでしょ。
さあ、下巻へ。




はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)

図書館員〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

図書館員〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)