紙一重の緊張感
「死亡推定時刻」(117/122)
冤罪事件を
ここまで克明にリアルに
緻密に描かれた作品は
知らなかった…
この手法の小説は
一歩間違えば、事実(事件)の羅列に陥り
冗長な作品になりがち。
だけど本作品は
リアルな小説になっている。
本当の事を書いてある、のではなく、
本当にありそうな事が、書いてあるのだ。
誘拐事件が事の発端。
その捜査過程で繰り広げられるのは
正義ではなく、政治。
そこで一つの冤罪事件が産み出される。
その流れが
凄く、本当の事のように描かれる。
読者は、リアルと小説の境界線の上を読み進める。
そして、結末は、あまりもリアル。
現実を真正面に突きつけられる。
でも、小説の余韻を味わえるのでご安心を。
日本の弁護士小説の傑作では。
オススメ。
一気読み、まちがいなし。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
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