人間は自ら堕ちることが出来る生物なんだな
「果てしなき渇き」(120/122)
いやー、
久しぶりです、この読後感のザラザラした感じ。
ま、読んでるときも、なんか腎臓あたりがムズムズした感じ。
読み始めた瞬間から、
きっと最悪な結末が待っている事が分かっちゃって、
その結末に至るまでの過程も最低で、
勿論、予想通りの最期で。。。
いじめ、DV、レイプ、クスリ、売り、虐待。
悲惨な事件のオンパレード。
これでもか、これでもか、と人間の暗く残酷な部分が描かれる。
執拗な暴力。
暴走する感情。
底なしに狂いはじめる人間関係。
でも、その漆黒の闇の中に、
あるはずの無い光を求めてしまうのが人間であり。
そんな愚かな姿が人間であり。
ほんと、人間ってダメな生物なんだな〜
と実感させてくれる作品です。
で、深町秋生という作家の力技に感服。
だって、内容的には、全体に読みたくない悲惨な話なんだけど、
嫌よ嫌よ好きのうち、とは良く言ったもので、
完全に文章に引きずり込まれてしまう…
ホント、読みたくないけど、
読むべき佳作でしょ。
というか、読まされちゃうんだよねえ、圧倒的に。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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