ページの白い部分が、語りかける
「ナ・バ・テア」(125/122)
地球では、飛んだら、落ちる。
そんな当たり前の事を忘れてしまっているのでは?
そう、飛び続けることは不可能です。
だからこそ、
飛んでる素晴らしさがあるわけで。
飛ぶという美しい行為が理解されるわけで。
「スカイ・クロラ」シリーズ、第二弾。
クサナギの薄いけれど堅実な生活が垣間みれる作品。
一見、限りなく希薄な存在感。
でも、それに騙されてはいけません。
コドモという立場の濃密さが、
さりげなく織り込まれてく。
その森博嗣の文字を操る能力、本当に気持ちよい。
特に飛行機操縦シーンの文章の短さ。
頭10文字程度で一行が終わる。
が、しかし、白い部分の何も書いていない30文字が、
読者を、無限の空へと誘う。
読書の快感の極み。
最高。
そう、いつでも空を飛べるんだ!
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 文庫
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