趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

自分を制御すること

「朱夏-警視庁強行犯係・樋口顕 」(1/122)


3年目突入の一冊目。今年度も多読乱読、喜んで!!


さて、この、素敵な警察小説シリーズ、第二弾。
樋口という、今までの警察小説には珍しい、
型破りなまでに「職業」として、警察という組織に馴染んでいる人。
そんな、究極の刑事の妻が誘拐された・・・
さあ、どうする、樋口。


樋口が動くから、それほど切迫していないように思えるけど、
実は、非常に、時間がない中での、急展開。
事件は流れてゆく。
でも、なぜ、切迫してるように思えないのか?
それは、樋口が行動を制御してるから。
そして、誘拐された妻も、自分をギリギリの所で制御してるから。


そして、犯罪は、自分を制御出来なくなった時、発生するから。
どうして制御出来ない人間が次々と作られるのか。
親の責任?社会の責任?学校の責任?
それとも、生まれながらにしての自己の責任?
というか、責任者を見つけ出し、責める資格があるのか。
そこまで冷静に自分を分析することは可能なのか?
自分を制御し続ける事は、正しいかもしれないけれど、それを幸せと呼べるのか?
うーむ、答えは、見つからない、よね、多分、きっと。



本作品、非常に制御された秀作です。
人は、感情を露にしなくても、いいんです。
感じる、信じる、理解する。
そんな一見地味な精神活動を刺激されます。





はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)

朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)