趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

スーパーなヒーロー

「臨場」(6/122)




この警察小説の主人公は検死官。
現場での初動捜査。
死者から、事件を読み取る男、倉石。


横山秀夫作品では珍しいのでは。
こんなにカッコよく、優れた、イカした男が主人公を張るなんて。
出来すぎ!
何しろ仕事ができる。
組織の上に強く、部下に熱い。
傲慢じゃない。
余計な言葉を発しない。
頭が良い。
ちょっとだけ、カッコつけたがり。


いやー、こんな完璧なヒーローだけど、
横山の警察小説だからこそ、
ここまでスペシャルな人物像も、
地味で誠実な警察活動の中に溶け込んでいる。
そこが、たまらなく面白い。
そう、陳腐なスーパーマンは要らない。


ここには爽快で痛快なヒーローが「活躍」、
否、「仕事」をしてる。そう、業務遂行を。



また、本作に出てくる新聞記者と警察官との小さなやりとりが、
ピリっと効いています。
巧み。


あー、面白かった!







はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)

臨場 (光文社文庫)

臨場 (光文社文庫)