確実に、心、動きますから。
「真夜中の死線」(33/122)
非常に良く出来た小説。
本当に巧み。凄い。感動的。
死刑実行まで、あと17時間。
無実の死刑囚を救えるのか?
こう書いちゃうと、
ありがちなストーリーって思いますよね。
無実の証拠を突き止められるか。
間に合うのか。
が、しかし、本作品は、そんなシンプルじゃない。
もちろん、
無実の証拠をめぐるサスペンス要素も一級ですが、
主人公、死刑囚、この二人のキャラクターが、
圧倒的な存在感を持っている。
うん、素晴らしい。
特に死刑囚、フランクが。
娘に書いた手紙…本当に素敵だし、深いし、優しいし、悲しいし。
そこの部分だけでも、
この作品、読む価値あります。感動の9ページです。必ず。
これで心、動かない人がいるとは思えません。
芹沢恵さんの翻訳にも、感謝です。
その他の登場人物たちも巧みです。
本筋に付随して起こる小さな出来事の一つ一つも、
憎たらしいほどに、心に刺さるスパイスが隠されてます。
ハードボイルドなサスペンスの傑作であることは間違いない。
また、信じる心を描いた純文学の傑作といっても良いのでは。
翻訳モノ好きな人には、
絶対にオススメします。損させません。
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※yonyonsanの走りブログhttp://ameblo.jp/yonyonsan/
- 作者: アンドリュークラヴァン,Andrew Klavan,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (7件) を見る