趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

「戦争」は当然、惨たらしい

「裸者と裸者・下」(56/122)



日本が、首都圏が、内戦状態。
戦争だらけ。
街が壊れ、人が死に、武器が飛び交い、金が舞う。
打海文三が描く悲惨な世界は、
残酷でダークでありながら、爽やかである。


上巻ではサブキャラだった双子の姉妹が、
パンプキン・ガールズとして闘う。超戦闘モード。
クスリを強奪し、武器を購入し、兵隊を育て、コミュニティを守る姿は、
残酷だけど、可愛らしい。凛々しい。
乾いた戦闘シーンがひたすら続く。
政治的背景、経済状況、権力のバランス。
それが戦争を止めさせない。
人が死んだだけでは、戦争は終わらない。
そんな、今、リアルに世界で起こっていることを、
この作品は、実に淡白に描く。
爽やかな「青春群像」が、戦争の惨たらしさを際立たせる。


結局、人が死ぬのが戦争。
闘う姿が美しくても、何かを守る行為が崇高であっても、
殺し合ってる事実に変わりなく。




はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
http://ameblo.jp/yonyonsan/