事件というエンタテインメント
「TVJ」(57/122)
お台場のテレビ局がジャックされた。
それも、新社屋移転記念特番、その時に。
この事件はエンタテインメントの主戦場、テレビ局で起こる。
そして、
この事件は、最高のエンタテインメントである「生中継」で展開する。
さらに、
この物語の主人公は「・北・キャリア・三十路手前のOL」という、
未知なる恐怖を引き起こしたり、
ワイドショーまでをも騒がせたり、
テレビドラマの主役にありがちな設定であったり、
エンタテインメント要素たっぷりな設定である。
そもそも、よく言うではないか
人の不幸は蜜の味。。。
事件こそが、最大のエンタテインメントなのである。
五十嵐貴久の「幻」のデビュー作であるが、
彼のエンタメ魂は、
その「格言」を具現化してる。
当事者と自分を重ね合わせて、
共感、もしくは反感を心の中に思い描く。
そして、
当事者じゃないから楽しめる。
この作品で描かれている「人質」「テロ」「爆破」「射殺」。
まさか自分に降りかかってくるわけないと思っているから、
事件はエンタメ化していく。
このスリリングな急展開。
そして、ラストの「落ち」。
これこそエンタテインメントなり。
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
http://ameblo.jp/yonyonsan/
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