このトリックに、やられた
「モロッコ水晶の謎」(82/122)
3中編+1掌編。
どれも、見事な謎解きを披露してくれます。
中編3つのテーマも
・誘拐・連続殺人・密室系
どれもミステリーの王道を突き進む作品です。
中でも、やっぱり、タイトル作品は素晴らしかったです。
※すいません、以後、少しネタバレです
占いで、このトリック仕掛けるとは。。。
さすが有栖川有栖。
この心理的なカラクリに圧倒されました。
普通、占いする方が、何かしら画策するんだけど、
まさか、占われた方が、
その結果を信じて犯罪を仕掛けるという大胆な設定。
一見、ミステリーの反則技に思えるが、
よーく考えてみると、実に理路整然としていて、
まさに「本格派」だからこそ、
読者に仕掛けることが出来たトリックです。
信じるものは救われる。
信じてるから、自分は死なない。
そこに、密室が生まれたわけですね。
そして、ラストの動機に関する、仄めかし。
さりげなく、切なくて、好きです。
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 講談社
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- メディア: 文庫
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