鳥の姿
「ダック・コール」(90/122)
不思議な物語です。
短編6作品。
鳥と男たちのふれあいがメインの物語。
や、メインって訳じゃないなあ。
人生のある一瞬。
刹那的に、鳥という存在とすれ違う。
そんな風景を見事に切り取っている。
解説にも書いてある通り「まれにみる美しさを持った小説」です。
それにしても、鳥って美しい生き物なんですね。
飛ぶという人類共通の夢を、あたりまえに具現化している生き物。
その気高さが、稲見一良の筆力で、
目の前に、パッと、鮮やかに、強烈に繰り広げられる。
ハードボイルドテイストなストーリーに差し込まれる、
鳥の「美」に酔いしれる。
カメラマンと鳥
鳥の虐殺
少年とオジさんの冒険
人狩り
海での遭難
少年の挑戦
それぞれ、鳥が、美しく、強く、登場する。
素敵だ。
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 稲見一良
- 出版社/メーカー: 早川書房
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