趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

小学生の頃、中学生の頃

「きみの友だち」(118/122)



いや〜、涙腺緩みまくり。
読んでいくと、
絶妙なバランスで、涙腺刺激ポイントがちりばめられている。
重松清の「ずるさ」に感謝感激。
一行で泣かせる技、
一行で暗い気持ちにさせる技、
一行で人生を語る技、
巧みです。



小学生時代の、ちょっと残酷な風景。
中学生時代の、少し切ないエピソード。
あの頃の、純粋で、小賢しくて、相手を根源から傷つける力。
そのキーワードは「友だち」だったんです。
はじめて、家族親族以外の人を他人と認識した時に、
その他人を表現する言葉は?
恋人じゃなく、愛人じゃなく、知人じゃなく、
ビジネスパートナーでなく、取引先でもなく、
敵でもなく。
それは、友だちだったんだ。。。



本作品、短編の連作です。
全部で10篇。
あの頃の輝きは、楽しくもあり、悲しくもあり。
でも、その両方を直接受け止める力があったのは、
小学生であり、中学生であったから。


ちなみにお気に入りは「別れの曲」。
これ、男子は、泣けます、きっと。
そして、やっぱり、「花いちもんめ」。
死ぬということを、こういう視点で描いた作品は、
珍しくもあり、残酷でもあり、そして感動的でもあり。


ふと、何かに疲れた大人の人達に、
是非、是非、読んでもらいたいです。
素晴らしい気持ちになり、
きっと、上を向いて歩けるようになります、きっと。



はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

きみの友だち (新潮文庫)

きみの友だち (新潮文庫)