美学
「愚か者死すべし」(16/122)
美しく生きるということは、
我慢することなのか?
ハードボイルドと呼ばれる小説には、
洋邦問わず、
見た目は今一つだが、
非常にカッコの良い中年の刑事、探偵、犯罪者、市井の人、、、が登場する。
性別は概ね男。
本作品で言えば、私立探偵事務所を営み沢崎。
いちいちが無駄にカッコいい。
捨て台詞も、仕草も、考え方も、カッコいい。
ヤバい。
彼の中で特に、警察との距離のとり方がカッコよい。
もちろん、警察は好きではないが、
それ以上に、正義に反する事象を忌み嫌う沢崎。
ヤクザに対しての距離のとり方も同じ。
組織と、個人と、社会のルールと、自分の我侭を、
しっかりと使い分けているからカッコいい。
その時の感情や状況に流されないで我慢する沢崎。
あういう中年になりたいなあ〜と思っていたら、
いつの間にか、その年齢になってしまっている自分は、間違いなくカッコ悪い。。。
もちろん、ミステリーとしても絶品。
誘拐と銃撃がからんだ事件は、
政界の黒幕を翻弄しつつも、驚愕の事実へと読者を誘う。
この結末は、、、ちょっとビックリ。
美しき謎解きに完敗。
寒い季節に、
是非、オススメ。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 原リョウ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (98件) を見る