スポーツマンシップよ!
「銀輪の覇者・下」(19/122)
様々な人間模様をはらんで、
昭和9年の日本縦断サイクルロードレースは、
結末を迎える。
第二次世界大戦、太平洋戦争を控えた、
きな臭い日本の情勢をも巻き込んだ、
スケール観の大きな本作品に登場する、
小さな人間たちは、
自転車というシンプルな武器で戦う。
それも、
正々堂々と。
まさに、
スポーツマンシップ。
スポーツの持つ、
魔法の力を、
思う存分書き綴った力強い本作品。
試合、レースには、
必ず「勝敗」があり、
それを規定する「ルール」がある。
全てはその二点に収斂されるから、
スポーツを題材にした作品は傑作も多いし、駄作も多々ある。
解説の西上心太も冒頭に引用してるセリフがある。
「レースは勝つか負けるか、二つに一つしかない。
しかし、勝負はレースの一面でしかない。」
駄作は、一面しか描いていない。
傑作は、当然の伊ことながら、その一面を的確に描いているだけでは終わらない。
本作品は、もちろん傑作です。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 斎藤純
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/08/25
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (27件) を見る