趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

詐欺、したい。それが、何か?

「悪党たちは千里を走る」(33/122)



悪党のコミカル・ミステリ。
誘拐という、誰もが憧れる(?)シチュエーションで、
小悪人が右往左往する、
実にコンパクトでキャッチーは作品。
貫井って、こんなタイプも書けるんだ、、、と感心。
ねえ、「慟哭」の人ってイメージが強いから、
何か苦しく切なく割り切れない思いがあるのかと思いきや、
ここには、
小悪人たちの、小市民たちの前向きに生きる力が、みなぎってる。



トラウマをかかえた、
冴えない男詐欺師・高杉と、無駄に美人な女詐欺師・三上。
そんなダメ大人を操る10歳の巧クン。
あ、この話は巧クンがリードしていく痛快子供小説なんだ〜
とか思っていたら、
あっという間の急展開。
そこから始まる、読者をどんどんミスリードしていく、気持ち良い筆の力に、
身を任せているうちに、誘拐の本当のカタチが見えてくる。



さりげなく、仕込まれた伏線が見えてくる。
そして、ラストは痛快、爽快。
貫井の「詐欺」を十二分に楽しむ。
ああ、楽しき読書なり。





はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

悪党たちは千里を走る (集英社文庫)

悪党たちは千里を走る (集英社文庫)