善意の中の悪意
「リカ」(36/122)
五十嵐貴久の、
デビュー作なんですね。
この文庫化でエピローグを追加しているものの、
このデビューにして、
五十嵐あり、ってこと、確認しました。
インターネットの出会い系サイトで、
ちょっと羽目を外してしまった凡庸なサラリーマンが、
ストーカーに追いつめられる。
って、内容のホラー系サスペンスかな〜とか思いつつ読んでいたものの、
実は、
本作品、
人間にとっての「恐怖」とは何か?という根源的なテーマを描いているんだ、
って事に気がついてしまった時、
これ、マヂで、ヤバいって思いました。
同時に、五十嵐作品の幅の広さに、感動しちゃいました。
純粋な悪意は、
善意という、意味不明な意識から起こるんですね。
相対的な善意と、
絶対的な悪意が同居する社会。
でも、人間は、この社会から抜け出すことは不可能。
つまり、生きてるだけで、恐怖、、、、
なんですかねえ。。。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/10/10
- メディア: 文庫
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