趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

物凄くデカいもの

シャングリ・ラ・下」(52/122)



東京なんて、
エコなんて、
お金なんて、
ポリシーなんて、主義なんて、
正義なんて、
別に、たいしたことじゃなくて。
まあ、最後は、
好きとか、気持ちが良いとか、認められるとか、
相性が良いとかの方が、
決め手になったりして。



それにしても、2,700年の時空を越えた、
スペクタクルな展開に度肝を抜かれました。
神武天皇まで登場。
初代天皇ですよ!!
この設定のスケールを大きさは、ちょっと卑怯ですらあります。
最初は
地上に棲むテロリストと
空中に根城をかまえる支配階級、上流階級との、
壮絶なサイバーバトルであり、
聡明なミニスカートのテロリストの首領「國子」の活躍を期待していましたが、
池上永一は、そんなに甘い作家ではありませんでした。。。




この小説は何が言いたかったのか?を求める読書もありだと思う。
国のあり方があってこそ、人は生きていけるである!
という非常に政治的なメッセージを感じるかも。


人は人と繋がっていないかぎり全く意味の無い存在であり、
基本的に孤独な生き物であることを自覚することが人生なのである!
という強烈な人生観を感じるかも。


ニューハーフ・モモコの生き様を通して、
区別とか、差別とか、カテゴライズという行為の愚かさに気づけ!
という叫びを感じるかも。


とにかく様々なメッセージが同時多発的に、
まとまりもないまま、まさにテロのように読者を襲う。
そんな、攻撃に身を任せて、
何も考えず、感じるがままにページをめくっていくのも、ありだと思う。



最初はとっつきにくいかも、、、ですが、
苦手意識を克服してでも読むべきかと。
この文庫、千頁、損はしません。






はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

シャングリ・ラ 下 (角川文庫)

シャングリ・ラ 下 (角川文庫)