ほほうぅ、切れるね。
「鳥人計画」(56/122)
1989年、東野圭吾、前期の作品。
テーマはスキーのジャンプ競技。
鳥人って、まさしく飛ぶ人の事。
で、途中で犯人をあっさりとバラしての展開。
はは〜ん、東野、今回はこういうアプローチか、
とか思って読んでいると、
なんか不思議というか、違和感があるというか、
東野らしい「切れ」がない。
なんか普通のミステリー。
初期の作品だから、
こんなもんなのかな〜、とか思いつつ、事件は一気に決着。
絶妙な伏線の張り方、巧妙なトリックは、
さすがだな〜〜〜
ってところで、終わらないっすよ!
ちゃんと東野は用意してくれてました。
切れ味抜群の本当の結末を。
人のエゴとか、野望とかって、そんなに大層なのもではなく、
ちょっとした気持ちでしかなく、
そのちょっとした心の作用が、
とてつもない悲劇を(この作品の場合は人殺し)招いちゃう。
恋人であり、家族であり、会社であり、国家であり、
人は相対的に生きるしかないんだけど、
そういう枠組みを超えて存在する何かが、
たまたま悲劇の原因となったりして。
さすがですね、東野圭吾。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 東野圭吾
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