趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

愛情表現という目的に、ホラーという手段

20世紀の幽霊たち」(58/122)




短篇、中篇集です。
超ホラーからファンタジックホラーまで。
読む人の心によって、
様々な解釈が出来る18のホラー作品たち。
それぞれが、
異彩を猛烈に解き放っています。



でも、どれにも愛を感じます。
表題作「20世紀の幽霊たち」のラストシーンなんかは、
究極の純愛!?
ホラーって、基本的に死の近辺で物語が展開していきますよね。
まあ、幽霊は死の「向こう側」の存在であるわけだから、
或る意味、死の両サイドでの激しいサイドチェンジを目の当たりにする。
その死に向かって昇華する愛情を、
どう感じ取るのか、それが読者に課せられたタスクです。



この18の作品に込められた愛ですが、
個人的には、正直、理解不可能な愛もありました。
この愛を認めて良いのか、と思わせる愛もありました。



でも、それも愛。
死ぬほど愛する、それがホラーの真髄なのかも。






はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)