警察に就職したい、でも
「制服捜査」(73/122)
駐在所という職場。
それも北海道の人口6,000人のコミュニティ。
多分、そこは、
想像を絶する壮絶な環境に違いない。
常識とか、法律とか、道徳とか、
今、自分が「正しい」と「信じ」ているものが、
いとも簡単に覆される。
そんな場で、
正常な心でいられるのだろうか?
狂わずにいられるのだろうか?
人は何を信じて生きていくのだろうか?
佐々木譲が描く主人公・川久保は、
ギリギリのところで生活している。
その様が物凄い。
事件を解決することよりも
犯罪者を出さないことが優先される共同体というものは、
本当に存在するのだろうか。
そんな狂気の世界で淡々と暮らしていくなんて、、、
本作品は5つの短中編で構成されています。
ある意味、起承転結。
いや、流れ的には起承決爆かも。
川久保の思いは強く強くなっていく。
本当に荒廃した平和な町に潜む悪にどう挑むのか。
でも、
この偽りの平和を全面的に否定してよいのか、どうか。
そこで、人間は悩む。
悩まない奴は人間じゃなく、ただの生き物だ、きっと。
こんな興奮は、めったにない。
解説にもあるとおり、問答無用で読むべき。
そして、次回作「暴雪圏」をひたすら待つべし。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 佐々木譲
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/12/20
- メディア: 文庫
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