趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

久しぶりに読みたくなって

「時間封鎖・上」(89/122)
「時間封鎖・下」(90/122)
 
本屋で見つけたのが、これ。
ヒューゴ賞受賞作だし、「SFが読みたい」2008第一位だし。
作者のロバート・チャールズ・ウィルスンは知らなかったけど、
読みはじめました。
 
で、ハードなSF、堪能。
空から星が消える。
地球全体が薄い膜のようなものに包まれる。
宇宙の中で、地球だけ時間が止まる、じゃなくて、進みが遅くなる。
ほぼ止まっている感じ。
 
そんな状況をハードなSFとしては解釈していくものの、
同時に、普通の人たちの、ささやかで慎ましく、そして深い人間ドラマも描かれる。
子供のころから仲良しの3人の成長の物語でもあり、
人類の性を暴き出す物語でもある。
特別なSF的状況が、
登場人物たちの心の動きを際立たせる。
実に巧みな作品です。
恋愛とか、功名心とか、宗教に対する姿勢とか、
父と子の関係や、人を好きになる単純な気持ちが、
実に鮮やかに、滅亡に向かう地球で繰り広げられます。
 
もちろん、純粋なるSFの部分も知的好奇心を書き立てます。
良いSFを読むと、
雑音なくピュアな状態の中で、
水泳をしているかのように考えることが出来るんです。
ただ、与えられた情報を元に考えるのみ。
そこに他意はない。
この贅沢な思考遊戯、それがSFの醍醐味だと思います。
 
SF、ちょっと苦手な人にもオススメ。
最初、つらいかもしれないけど、
読み終わったときの、この気持ちはSFでなければ味わえないでしょう。
 
 
はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)

時間封鎖〈下〉 (創元SF文庫)