趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

あの頃、僕は、聞いていた

あの歌がきこえる」(107/122)
 
 
重松清の自伝的小説
地元山口県(多分)での
小学校、中学校、高校での「甘酸っぱい」ストレートな青春物語。
これ、剛速球。
 
5歳程、僕の方が下なんで、
各ストーリーに流れるこの時代の楽曲は、
前半はチョット、実感わかない。
フォークの名曲たち、
当然知っているけど、歴史的楽曲としての把握なんだよね。
 「いつか街で会ったなら」
 「戦争を知らない子供たち
だから、小学生時代の前半の話は、ものすごく懐かしく感じる。

その後の話はリアルタイムで聞いている。
 「案山子」
 「好きだった人」
 「風を感じて」
 「DESTINY」
 「いなせなロコモーション
 「さよなら」
 「トランジスタ・ラジオ」
物語と楽曲が自分の中でシンクロして、
つい昨日の事のような気がする。
音楽の力を非常に上手に利用している作品です。
中でも「DESTINY」って
改めて凄い曲だと再認識。ユーミン、ヤバいぜ。
 
特に後半は個人的に感銘。
たまたま自分が都会の中学、高校で過ごしただけに、
自分では経験したことがない「田舎」の風景と、
よく知っている音楽が交じり合う不思議な感覚。
決して打ち返すことの出来ない剛速球を、
少しだけ賢くなっているから、
打てないことは分かってしまっているストレートを、
見送るのでなく、
空振り覚悟で振り切る。
それが、あの頃なのかな。



はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

あの歌がきこえる (新潮文庫 し 43-14)

あの歌がきこえる (新潮文庫 し 43-14)