隠された罪と隠すという罪
「凍てついた墓碑銘」(116/122)
まさにアメリカ合衆国のミステリ。
もう王道。
非常に完成度の高い作品でした。
17年前の殺人事件と殺人事件隠蔽工作が
ある関係者の死によって蘇る。
何事も無く生活が進行しているように見える田舎町で。
このパターン、
もう何回も何回も何回も何回も書かれているし、
何度も何度も読んでいるような気がする。
北米に存在する、この田舎コミュニティの問題は、
日本の「村八分」社会と似て非なるものだけど、
適度の人数が集う場所には必ず起こる問題なのでは?
みんなで隠す。
差別されている側が隠す。
差別してる側も隠す。
有力者たちが隠す。
弱者が隠す。
大人が隠す。
子供が隠す。
女が隠す。
父が隠す。
政治的に隠す。
社会が隠す。
隠す罪をみんなで被ったほうが、
相対的に考えてOKという、この考え方。
人は絶対的なモノから逃げて、、、
ネタバレになるので何も書きませんが。
読み応え十分。
青春時代から17年後にワープした登場人物たちの描き方は秀逸。
重厚な作品であり、ミステリとしてもエンタメ度も高いです。
翻訳モノ好きな人にはオススメ。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: ナンシー・ピカード,宇佐川晶子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 文庫
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