冗長、という魅力
「子どもたちは夜と遊ぶ・上」(119/122)
「子どもたちは夜と遊ぶ・下」(120/122)
辻村深月、一気読みも中盤戦に入りました。
上下で1,000頁超え。
講談社文庫とはいえ、決して短い作品ではありません。
大学のゼミを中心とした物語。
狐塚と浅葱。そして月子。
そして連続殺人事件に巻き込まれていく。
ゲーム感覚の人殺しの裏に流れる、
双子の兄弟の悲しい過去。
そして、恋、愛、憎しみ。
ま、よくあるパターンといえばパターンです。
が、しかし、
辻村の(敢えて書きますが)無駄に長い文章が、
作品内の時の流れを自由自在に支配し、
登場人物の心象風景を鮮やかに読者に見せつける。
中でも月子の微妙で激しい心の動きを感じ、
このラストを迎えたとき、
読者は、震えるであろう。
その震えは
悲しさから来るのか?かすかな希望かなのか?
いや、恐怖なのか?
そこは十人十色、堪能すべし。
映像化とか、
凄く向いている作品だと思うけど、
この「長さ」から来る想いを表現できるのは、
文字だけでしょう。
だから、読書は楽しくて。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 辻村深月
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