趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

地味な悪意

「看守眼」(128/122)
 
横山秀夫じゃなくちゃ、
これ、書けないよね〜。
 
地味な仕事、立場の人たちが主人公の短編6つ。
留置管理係、自伝ライター、家裁調停委員、県警ホームページ担当、新聞社の整理部員。
そして、県知事秘書。
みんな、日陰の職業ってわけじゃないけど、
決して、本意で働いているわけじゃない。
地味っていうか、「普通」なのかなぁ。
生きるために仕事してる感じ。
働くことは嫌いじゃないんだけど、好きでもない。
この気持ちをここまで的確に描写されちゃうと、
けっこう「キツイ」よね〜。
 
で、そんな人たちが、
ちょっとした悪意に巻き込まれていくミステリ。
当人たちは決して完全なる善人じゃないとこがポイント。
ちょっとした魔がさす。
このあたりの絶妙なバランスも横山ならでは。
もう、唸るしかないね。
 
小さな悪意が微かな悪意を呼ぶ。
さて、事件は?
そして主人たちの人生は?
 
間違いなく佳作。
オススメ。
 
 


 
はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

看守眼 (新潮文庫)

看守眼 (新潮文庫)