趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

超いい加減な伊坂幸太郎

「陽気なギャングの日常と襲撃」(16/122)

 
伊坂幸太郎はいいね。
なんで、こんなにいいんだろうか。
不思議だぁ。
 
陽気なギャングの第二段。
今回はメインの銀行強盗に周囲に散りばめばれた、
様々な、超いい加減の事件が一気に収束していく。
本当にいい加減だ。
正直、こんなにいい加減にストーリーが都合良い方向に展開していく作品は
一歩間違えば「金返せ!」的作品として認定されるだろう。
 
でも、伊坂が書くと、
許されるというか、別の次元に昇華しちゃう感じ。
これがたまらない。
 
前半は4人のギャング達が、
それぞれ主人公として「謎解き」をする短編四つ。
それぞれが独立した事件だけど、
当然ながら、微妙に複雑に、そしていい加減に絡み合っている。
 
その絡みが、より絡まって、最後は奇麗に解けてしまうのが後半戦。
いつも通りの銀行強盗から、
話は、いい加減に、都合よく、誘拐事件に発展していく。
で、その誘拐犯二人組みの「いい加減さ」はもう究極、絶品。
ここまで振り切れる伊坂は、
やっぱり凄い。
 
いい加減なストーリーが、
心地よいスピード感で進行し、
いい加減な登場人物たちの、
それぞれの適当な努力、尽力、思いやりによって、
実に巧みにひとつの佳き結論に収まるとき、
成瀬、響野、雪子、久遠は、
またいい加減に銀行強盗の計画を練り始めるのでしょう。
 
でも、いい加減に生きるって、
案外、難しいんだよね〜
 
 
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

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