趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

氷のような人生とは

「氷姫」(25/122)
 
スウェーデンの作品。
ミステリ、ど真ん中。
 
最初は
スウェーデンの雰囲気とか、
文章の全体的な暗さに押し潰されて、
頁を捲る速度が遅かったのに、
いつのまにか、
あっという間に殺人事件の舞台・フィエルバッカに飲み込まれ、
後半は、まさに一気読みでした。
雪崩のような構成のミステリって、
高品質の証です。
前半で読者に我慢を強いるが、
それが後半での爆発的な魅力につながっていく。
 
同級生の殺された姿を発見してしまった、
主人公、エリカは伝記作家。
人口千人程度の小さな村での事件なんで、
すぐに解決されると思いきや、、、
さらに第二の殺人。
美女とアルコール中毒の男の接点は?
事件の鍵は20年以上前の事件にさかのぼる。
 
もう一人の主人公、刑事パトリックの人物設定が、
非常に素晴らしい。
文庫の帯に書いている「哀しく暖かな読後感」を呼び起こすのは、
このパトリックという人物にかかっている。
こんな刑事、
あまり読んだことがないかも。
 
それにしても「氷姫」って、
実に良いです、この邦題。
殺されたアレクスのことだと思うのですが、
まさに、氷のような人生を、、、
切ないミステリ、お楽しみあれ。
 
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

氷姫―エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

氷姫―エリカ&パトリック事件簿 (集英社文庫)

はてな年間100冊読書クラブ
(20081021-20091020.139/122)
(20071021-20081020.134/122)
(20061021-20071020.133/122)
(20051021-20061020.128/108)