どうしよう、この感じ。
「凍りのくじら」(27/122)
2010年は、辻村深月、からです。
うん。
元旦の夜に、この作品を読んで、非常に「打たれた」わけです。
東京が一番静かなこの時間に、くじらは、凍り、沈む。
主人公、女子高校生・理帆子の心の動き、
家族、友人、学校、病院、彼氏、知人といった周囲の人間達との関係性、
それをシャープな視線で切り取っている。
時に映像的に、
時に詩的に。
そこに理帆子の好きな「ドラえもん」というエピソードが、
実に印象的にインサートされる。
読んでいて、
感情を緩やかだけど激しく動かされる。
でも、
そんなんだけじゃない。
読んでて、
どうして良いのか分からない状態に追い込まれる。
こんな気持ちにしてくれるのは、
きっと、辻村深月だけなのではないだろうか。
この作家は、
読者を、どうしようというのだろうか。
とにかく、読んで。
解説で瀬名秀明が書いているように、傑作です。
そして、感じて。
それが読書の楽しみ、喜び。
今年も、だから読書はやめらない。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/14
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