冒険、スタート。
「精霊の守り人」(31/122)
やっと、噂の上橋菜穂子にたどり着きました。
これが「守り人」シリーズなんですね。
チラシに「児童文学界の怪物ベストセラー」とか書いてありましたが、
素直に「文学界の」でOKです。
その背後に構築された世界観、素敵過ぎます。
誰にでも分かるように、
難解ではなく、シンプルに丁寧に描かれているだけなんです。
技巧に頼った「オトナ騙し」が使えないだけに、
この筆力、改めて感服。
著者は児童文学の第一人者であると同時に、
文化人類学者とのこと。
その知識を小学生、中学生のために、
惜しげもなく、そして押し付けがましくなく注ぎ込んだ本作、
解説の恩田陸の言うとおり、『モノが違う』。
新ヨゴ皇国で繰り広げられるファンタジー。
無敵の女用心棒・バルサと、
運命的な出会いをする皇太子・チャグムの二人を軸に、
心地よいスピードで展開するアドベンチャーストーリー。
200年前の史実の真実は?
チャグムは生きて戻れるのか?
バルサと盟友・タンダの関係は?
バルサを助ける市井の「卑しく」心優しき人々と、
帝に使える狩人たちとの行き詰る攻防戦。
そのアクションシーンの描写も只者じゃあ、ありません。
子供とか、大人とか、
そういうの関係ないんです。
冒険したいという好奇心、そして自分なりの冒険に踏み出す勇気。
そんな大事な気持ち、思い出してみませんか?
さ、次は「闇」が待ってるぞ!
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/03/28
- メディア: 文庫
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