痛すぎる
「ボトルネック」(41/122)
いや、痛い。
悲しいというより、痛い。
残酷ではなく、痛い。
米澤穂信の書いていることは、間違いなく痛みを伴う。
それも、絶妙な加減の痛み。
実に素敵なパラレルワールドものです。
主人公・リョウは、
タイムスリップじゃなくて、ワールドシフトとでも言うのでしょうか。
生まれるはずだった姉がいて、
自分(=弟)がいない世界に飛び込みます。
そこで、姉(=サキ)と行動していると、
死んでいた人たちが次々と蘇っています。
そんな中、リョウの心は一点に収斂していくのですが、、、
で、あとは、もう、読んでください。
決して、ハッピーエンドではありませんが、
この痛みを感じることが、
本を読んでいる人たちに与えられている権利なのですから。
第四章の最後、
通常の世界に戻ってくる寸前に発したリョウの台詞に、
打たれてください、是非。
そして、ラストの言葉に撃たれてください。
村上貴志の解説も非常に面白いです。
もっと米澤穂信を読みたくなること、請け合いです。
で、映像化とか、されそうな雰囲気ですね。
あまりにも痛くて、商業ベースには乗らないと思いますが(笑
リョウ=(いないね〜。10年前の二宮君かな〜)
サキ=志田未来
ノゾミ=夏帆
あたりで、どうでしょうか?
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
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