芸術という生き方
「ロンド・下」(45/122)
柄澤齊という版画家が
文字を書くとき
過剰なまでの濃密な
行間がほとんど存在しないような
でも
その向こう側には何ともいえない不気味で華麗な余韻がある
絵画をモチーフにした猟奇的(というのは間違いかも)な連続殺人事件の犯人が滔々と自分のしたことについて語り続けるシーンは
通常のミステリならば「説明しすぎ」と否定されてしまうかもしれない。
が、しかし、本作品の場合は、
その犯人の過剰な饒舌さが、
芸術というものの本質であり、
だからこそ、人は芸術に惹かれ、芸術家に憧れてしまうことを、
教えてくれているのではないだろうか。
それにしても、
文字で絵画をここまで描けることに、
ちょっと感動しました。
文字の可能性は、無限なんですね。
重めのミステリをズッシリと読みたいならば、
本作、オススメです。
字って、凄いですね。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 柄澤齊
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